No.88 八尋／ヤヒロトモヒロ
2.穴箱 CAJON 3:39
3.弓線 BERIMBAU 5:39
4.瓢空 CALABAZA 10:07
5.革鼓 SKINS 3:08
Recording : May 2007 at 01N’ABLE HOUSE,Sakai,Osaka
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Liner Notes
物を叩きたい、叩いてリズムを作り出したい、という欲望は、世界中のどんな国の人間であれ、老若男女を問わず、生まれつき持っている本能だと思う。おそらくこの本能は、人類がまだ猿から進化してまもない原始の時代からあったのだろう。敵と戦ってその肉をむさぼったあと、引きちぎった大腿骨を叩き合わせて勝利の雄叫びをあげる。また、深夜、洞窟で火を囲み、まわりを取り巻く深い闇の恐怖を忘れんと木の棒で地面を叩き、両手を叩いて踊る。そのころから何万年、人間は物を叩き、打ち、引っ張り、擦って、リズムを生み出しつづけている。リズム、嗚呼リズム……この世はリズムで溢れている。心臓の鼓動、木の葉の擦れあい、電車の振動、複数の足音、バイクのモーター音、山鳩の鳴き声……このアルバムは、そんな「世界」の縮図だ。聴いていると、リズムの中にはメロディーもハーモニーもあることに気づかされる。ここには、原始の響きを内包するシンプルなものから、現代風に洗練されたもの、ゴージャスにオーケストレイションされたものまで、ノイズのように微細な音から雷鳴のような轟音まで、あらゆるリズムが詰まっている。そして、それらが集まり、絡み合い、奔流となり、しまいには太い大河の流れとなって、大過去から大未来へ滔々と進んでいく。各種のパーカッションだけでなく、肉体そのものまで打楽器として使い、ヤヒロトモヒロは、時に破壊神となり、時に創造神となって、音の曼陀羅を作り上げている。それは技術や理論を超えた深いところで我々の共感を呼び、感動させるのだ。
小説家 田中啓文
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ヤヒロトモヒロprofile
1961年東京生まれ。
少年時代をスペイン領カナリア諸島で過ごし、地元でドラム・パーカッションを始める。1979年帰国、1980年日本でプロ・デビューする。
日本のジャズ界を代表する山下洋輔、向井滋春、渡辺香津美、板橋文夫、梅津和時、などと活発な活動を展開する一方、1980年代には、伝説のアフロファンクバンド「じゃがたら」や「エスケン＆ホットボンボンズ」のレギュラ－メンバーを務めた。また、加藤登紀子、さだまさし、大貫妙子、吉田美奈子、阿川泰子、久石譲、などのレコーディングやツアーに参加、インターナショナルな感性と確かでしなやかな音楽性は多くのアーティストに愛され、ジャズ、ロック、ポップスなど、ジャンルの枠を超えた幅広いフィ－ルドで活躍する。
海外ア－ティストとの交流も深く、ウ－ゴ・ファトル－ソ、ピエ－ル・バル－、ジョイス、トニ－ニョ・オルタ、ホルヘ・クンボ、ジョアン・ドナ－トなどとの共演やツアーを行い、好評を博した。
2004年、金子飛鳥(ｖl)、アルゼンチン出身のヘラルド・ディ・ヒウスト(pf）、 カルロス“エル テーロ”ブスキーニ(b)とGAIA CUATROを結成。
近年では、パーカッション・ソロ・パフォーマンスも意欲的に活動を始め、国内ツアーを展開、海外のパーカッション・フェスティバルにも参加する。
現在のレギュラー活動は、GAIA CUATRO、坂田明YOSHI!、「室内楽団 八向山」、スピック＆スパン、鬼武みゆきトリオ、Os Amarelos、ユビクトスや、ウーゴ・ファトルーソ、中村善郎、タイロン橋本とのDUO等、多々あり国内外で活躍中。
Percussionist Tomohiro Yahiro was born in Tokyo,1961.
He spent boyhood in Canary Islands, Las Palmas de Gran Canaria where
he began to play drums with local rock bands.
Came back to Japan in 1979 and he made his professional debut in 1980.
International sensitivity and high performance of originality are
loved by many musicians and composers of different style of music.
In 80's he was regular member of epoch making rock band like Jagatara
and S-Ken & Hot Bomboms.
Paticipated to many recordings and tours of pop artists like Katoh Tokiko, Sada Masashi,Taeko Ohnuki,Yoshida Minako,Yasuko Agawa,Joe Hisaishi etc..
On the other hand, he has been active with the most representative artists
of Japanese Jazz scene and World Jazz like,Yosuke Yamashita,
Shigeharu Mukai, Kazumi Watanabe, Fumio Itabashi, Kazutoki Umezu.
To name some of the oversea musicians there are Hugo Fattoruso,
Pierre Barouh,Joyce,Toninho Horta, Jorge Cumbo etc...
In 2004 he formed GAIA CUATRO with Aska Kaneko(vl) and two Argentine
musicians, Gerardo Di Giusto(pf),Carlos [el tero] Buschini(bs).
Recently he started PERCUSSION SOLO PERFORMANCE and is touring all
around Japan and participating Percussion Festivals.
At present he has been active with GAIA CUATRO, DUO with
HUGO FATTORUSO, Akira Sakata "YOSHI!", MIYUKI ONITAKE TRIO,
HAKKOHZAN, Duet with Tyrone Hashimoto, Yoshiro Nakamura etc....
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Producer│清水紹音 SHIMIZU Joh-on（Ohrai Records）
Recording & Mastering│五島昭彦 GOTO Akihiko
Cover Art & illustration│宮崎文子 MIYAZAKI Fumiko
Art direction│河村岳志 KAWAMURA Takeshi （alt.design associates inc）
Design│財津浩子ZAITSU Hiroko（alt.design associates inc）
Photo│David
Special Thanks to│安保紹隆 磯部宗寛 大島櫻子 庄内斉 藤波千枝子
堀畑和正 松凬悦子 堺ジャズ愛好会 自然館 靍木忠雄 甲斐厚子