【記録】小山彰太ミーツ宮本香緒理『ゑひもせす』@book cafe 芳井 お茶の時間
ライブレポート/亀田豊 (文・写真)
2025年4月20日(日)17時~
小山彰太ミーツ宮本香緒理『ゑひもせす』@book cafe 芳井 お茶の時間☕
僕自身小山彰太さんのドラムスを生で聴くのは何十年ぶりかもで、山下洋輔トリオを始め林栄一とのコラボ等での名演を残すビックネームがこの小さな古民家を改装したお茶の時間で聴けるのは奇跡に近い気がする🥁
3週間ものツアーの最終日を何枚も彼をプロデュースしてきた清水紹音さんだからこそのこの時間を永遠に脳裏に刻み語られる…そんな一夜となった👏
“かおりん”ことここ井原ではすっかりお馴染みになった宮本香緒理さんの桶胴太鼓で“和”の雰囲気で第1部が始まった。
小雨が降り始めたためか、その湿気から胴の紐を締めた時にギュッギュッって音がする。
それを受けて彰太さんの手打ちドラムが始まる🥁
ドラムスとパーカッションと言うリズム隊だけの演奏会…一体何が始まるのか緊張の瞬間だ🤫
二つの音の隙間に屋外での鳥のさえずりが聴こえる🐤
柔らかな雰囲気を打ち破ったのは彰太さん🥁
ハイハットでリズムを刻み、スティックに持ち変えてからは彼の予測不可能さの本領発揮だ🥁
かおりんが足に付けた鈴でリズムを取るが和テイストだからか所謂表打ちだ。
ジャンベとボンゴの心地よい響きが入り、さらにウドゥのポワンが加わるとかおりんの優しさが表れる気がする。
足のリズムとの組み合わせが結構難しいよなぁ~と自分の足でマネしてみたが無理だった😆
ボンゴを聴くと『狼少年ケン』のイントロを思い出す😃💡
アフリカの草原に一人立っているようだ。
かおりんが鉄琴で🎶《埴生の宿》を奏でる。
ん?水の音?雨の音?が外から聴こえて来る。ここに不思議な空間が拡がった。
時間が止まった感じさえする…。
大林映画のノスタルジックなコラージュされた写真たちが流れるようなイメージが頭に浮かぶ😃💡
ドドドドと彰太さんのドラムスが入った後に再びかおりんの奏でた鉄琴はなぜか響きが増すしたように感じたのは僕だけではないだろう。
🐤「ホーホケキョ」…「成駒屋!」と歌舞伎座で大向うが掛かったかのような絶妙のタイミング!
ウグイスにも締めが分かるのだろう😲
相手の音を確かめるようにアイコンタクトを送る二人。
かおりんに笑みが漏れる😊本物の音と相対する事が嬉しいのだろう。
上がってきた彰太さんのリズムに応えるかおりん…
二人だけの音世界を楽しんでいるようだ。
彰太さんの小技にかおりんも小物を振って応える😉
それは手探りしながらジャングルの奥深くに入り込んで行くみたいだった。
第2部は志向を変えて映像とのコラボとなった。如何にも紹音さんらしい😉
🎬️チャップリン『午前1時』に合わせ、かおりんソロのウドゥがポワン😆
何度も何度も同じ失敗を繰り返すチャップリンは、かおりん曰く実は完璧主義者だったとの事で何度も何度も同じ失敗をやり直すように完璧に演じているのだとか…
後ろ向きで階段降りるのなんて考えられない‼️
とても僕と同じ誕生日だとは信じがたい😆
最初はミュージシャンがモニターを見ながら、それに合わせての音を紡いでいるように見えていたのだが、次第にジャンベでリズムを作るとチャップリンがかおりんの音に合わせて演技しているように見えて来たから不思議だ😲
今度は彰太さんにバトンタッチして、
バスターキートン『キートンの船出』
チャップリンの出ているだけで笑える容姿とは裏腹にキートンはめちゃ二枚目だ😉
それは喜劇役者としては不利なんだろう…
その動きは上品で彰太さんも外したシンバルをガシャガシャやっていてもどこか上品さが漂っている。
途中シンバルをジャーンってやると京劇でのキメがこんな感じだなぁ彼の奏でる音が極めて演劇的に聴こえて来た🎭️
彰太さんが演技している訳ではないのだが、喜劇役者にとってとても大切な“間”を大切にする感じがシンバルの音ひとつにしても伝わって来る🥁
“間”にはウグイスたちのホーホケキョのコーラス隊までも引き連れて…😆
さて、あっという間に本編ラストとなる。
かおりんのカウベルが扉を叩くように開いた世界は、トントントンとあさげの準備に追われ、草花や鳥たちや目を覚まし動き始める自然の営みの1日が表現される。
時にはのんびり、時には荒々しく…人生緩急が必要なんだよと云わんばかりに強弱を繰り返す彰太さんから思わず「Yeah」
と声が漏れる🥁
お互いの手応えを感じての満面笑みの二人の様子に嬉しくなり拍手喝采となる👏
アンコールは彰太さんのハーモニカをフィーチャーしてしっとりと
🎶《In A Sentimental Mood》~
《Over The Rainbow》
彰太さんの叙情的な音色に彼のツアーラストを祝福するかの如く、かおりんの風琴がカランコロンとここ芳井町の風を届けてくれるみたいで身体に心地良くかつ、感動的なフィナーレとなった‼️
外はまだ薄暗さが見える。
それは夜が更けるのを惜しむかの如く…
0コメント